いつも限界に近い

しがないバンドマンの随筆

透明人間

 ずいぶん前、俺が小学2年生か3粘性くらいの頃の話。

 朝のホームルームで、担任の先生が話し始めた。

「昨日、怪我から退院したクラスメイトの〇〇さんが、松葉杖をついて登校してきた。このクラスのほとんどの昨日の日記は、それに対して「かわいそうだ」と書いているものばかりだったが、✖✖さんだけは「頑張っているな」と書いていた。これは素晴らしいことだ。」

 つまり、「怪我をただ憐れむのはよくない。その状態で奮闘していることを評価すべきだ。」というようなことを言いたかったのだろうと思う。

 俺はあの話を聞いたとき、何を思っただろうか。はっきり言って覚えていない。何を言いたかったのか、当時は漠然としか分からなかったはずだ。ただ、このときの話はずっと覚えている。なんとなくだが、その原因と思われるものがある。

 俺は晩飯がどうだったとか、その子と全く関係のないことを、その日の日記に書いていた。